連れなし酒なし車なし ~ニッポン津々浦々おんな1人旅~~

神話と歴史と旅が好きなカメ子の旅日記

奈良の秘境!?日本一大きな村 十津川村へ 〜熊野三山の奥の院と云われる玉置神社参拝~

十津川村の『ホテル昴』に宿泊した翌日は、ホテル始発の村営バスに乗って、玉置神社へ。土日祝の一便のみ運行の予約制村営バスです。

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8:30、ホテル前のバス停に定員20名程のマイクロバスがやってきました。他にも3組程の宿泊客の方が一緒です。途中、十津川温泉にも寄り総勢15名の老若男女を乗せたバスは玉置神社へと向かいます。カメ子のテーマのひとつでもある、1人旅と思われる方もいました。

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バスは玉置山山頂を目指してぐんぐんと登っていきます。眼下に見えるのは十津川温泉の集落でしょうか。ここが何処なのかカメ子にはさっぱりです。

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ホテル昴からバスに乗って、約40〜50分で玉置神社の駐車場に到着。帰りのバス発車時刻までは約1時間半程の時間があり、それまで大きな荷物はバスの中で預かってもらえるとのことで助かりました!

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カメ子達が乗ってきたマイクロバス『宝くじ号』。なるほど大型バスでは無理そうな山道でした。
それにしても、なんて素敵なネーミングなんでしょう❤︎「帰ったら宝くじでも買ってみようかしら」なんて気を起こさせます。
菱十印は十津川村のシンボルマークですね。

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修験道の道、大峰山系の最南端にある玉置山からの眺め。長い歴史の中で沢山の修験者達が見た光景だと思うと、それだけで感動。

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さあいよいよ熊野三山奥の院といわれる玉置神社へ。
10年位前と20年位前に熊野三山詣りをしてから、ずっと来たいと思っていた神社です。でもその当時は今みたいに車を持っていない者が容易に来れる環境ではなかったのです。そして昨年、何のご縁か玉置(玉木)姓の御三方に立て続けにお世話になるようなことがあり、これはいよいよ行かなければ…と思いアクセスを調べると予約制村営バスがある事を知り、ようやく辿りつく事が出来たのです。

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玉置山縁記によると、神武天皇が東征の時に大和への道すがら身の安全の祈願にこの玉置山に『十種の神宝』を奉じたとあります。あれ?でも十種の神宝って神武天皇が向かおうとしている大和の国で饒速日が持っているんじゃぁ…まだ国譲りの前なのに何故こんな所に?と、神話を見ているとぶつかる様々な疑問とまたも直面ですが、まだまだお勉強不足のカメ子はとりあえず、天皇が『十種の神宝』を玉置山に奉じる理由(情報)があり、案内者の八咫烏から託され奉じるべくして奉じたと思っておくことにしました。
そしてその次に記されているのは、やはりこのお方、崇神天皇です。神社を巡りだすとその名を目にする確率の高い天皇さんですが、実在する初代天皇ではないかともいわれています。神武天皇と同一人物とみられることもある様ですが、奈良には神武天皇と一緒に九州からきた子孫の方々がいるようです。

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玉置神社に向かう道中にみえる玉置山の枕状溶岩堆積地。海底火山の噴火により噴出した溶岩が海底深くから玉置山山頂付近にまで隆起してきたものだそう。

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駐車場からカメ足で、この様な道を歩くこと20〜30分。

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辿りつきました!こちらが玉置神社本殿です。
祭神は

国常立尊
伊弉諾尊
伊弉冊尊
天照大神
神日本磐余彦命(神武天皇

とありますが、国常立尊はいつから主祭神なのでしょうか。国常立尊といえば、気になるのは京都亀岡にある出雲大神宮御神体であり古代信仰の場であった今でも禁足地の御陰山です。国常立尊が鎮まる処と云われています。

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樹齢3000年の神代杉。お会いできただけでもう感謝ですね。

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三柱神社。数日前に夢に出てきた見も知らぬ神社はタイミングとその雰囲気からしてここなのか?そんなことがたまに起こる若干不気味なカメ子です。
稲荷社とも呼ばれる三柱神社は玉置山の地主明神でもあり、倉稲魂神、天御柱神、国御柱神が御祭神となっています。ここで気になるのは稲荷信仰が盛んになる以前から地主神としてお祀りされていたことと牛祭が行われていることでしょうか。お稲荷さんや牛祭で連想されるのは秦氏ですが秦氏が活発に活動しているイメージがあるのは7世紀前後でしたね。

そしてすぐ裏手には出雲大社玉置教会があります。明治維新後に起こった廃仏毀釈の影響で全村民が出雲大社教に改宗となったようです。

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ここから上は玉石社と山頂への道です。玉置神社は玉置山の9合目辺りなので山頂まではそんなに遠くはなさそうです。徒歩20分とあります。残念ながら今回は時間的に山頂は諦めることにしましたが玉石社だけは絶対に行きたいっ!と思っていたので、老体にムチ打ってダッシュで駈け上がることにしました。御神酒を飲んでイイ気分のカメ子。死にそうになりました。

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5〜10分程登ると見えてきました。木立に護られるようにあるなんとも神秘的な佇まいです。
玉石社は玉置神社の基になったと云われています。ここは古代、神武東征以前から熊野磐座信仰の一つとして崇められてきたそうで、歴史を素直に読むと2600年以上も前からということになりますね。凄い。

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御祭神は大巳貴命、別名 大国主命役行者が後世の為に財宝を埋納し福徳を祈願されたと印されています。修験道の開祖である役行者も確か八咫烏と同族でしたよね。

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白い玉石に囲まれるようにしてほんの少し顔を出している黒い石が御神体で、地中奥深く大きなお石さんだそうです。大峯修験道では玉石社を本殿より先に礼拝するのが習わしとなっている程の聖地だそうで。あの空海もここに如意宝珠を埋めたとか。相当たる顔ぶれや伝承に玉置神社の奥深さを感じました。
導いてくれた玉置(玉木)さんに感謝です。